アイリ 様

フラワー商店街にある志無商工会館から通りを挟んだ向こう側、コンビニと志無不動産の間の路地。

「昔からいくつかお店はあったんだけど、だんだんお店が増えてきたなーと思ってたら、なんだか提灯ぶら下がっちゃったりして、気がついたらこんなふうになってたのよねえ」 とはご近所さんの言。

特に横丁として名前がつけられているわけではないのだが、そんな成り立ちから近隣では冗談混じりに 「いつのまにか横丁」 と呼ばれている。
空き物件に悩んだ不動産店が仕掛けたのではないかとの噂があり、実際不動産店の店主が提灯の電球を交換している姿が度々目撃されている。


路地に入ってすぐに見えてくるのは、路地が横丁の体をなすようになる遥か昔から営業しているラーメン店。

よく見るとこのラーメン店と不動産店は同じ建物にある。
店主ふたりが親戚同士で、先に営業を始めたのは建物の持ち主でもあるラーメン店。
間借りしているのは不動産店のほう。


女将ひとりで切り盛りする店内には座席が少ない。
昼時には学生やサラリーマンの行列ができることもしばしばだが、売り上げよりもラーメンの味にこだわる頑固女将らしく、座席を増やすつもりはまったくないのだとか。
順番待ちの客を尻目に今日も渾身の一杯を作り続ける。


ラーメン店の斜向かいには、落ち着いた佇まいのカフェの入り口と、生ビールのショーケースが並んでいる。
一見、ショーケースは2階の店のもののように見えるが、そうではない。


お洒落なカフェを始めて、そこで出会ったお客さんと結婚してふたりで仲良くお店をやっていきたい・・・そんな夢を実現するために脱サラした店主が開業したカフェ。
なのに、やってくるのは酒を要求する男性客ばかり。
注文もカクテルなどではなく、ビールに焼酎、日本酒、どぶろく。
すぐ近くに居酒屋があるんだからそっちに行けよとの思いを押し殺し丁重にお引き取り願うが、まともな客は来ない。つまり売り上げは上がらない。
しばらく悪戦苦闘を繰り広げたもののどうにもならず、サラリーマン時代にコツコツ貯めた運転資金も底をつきかけ、泣く泣く 「お洒落なカフェ」 から 「お洒落なビアホール」 へと営業方針転換。

しかしそううまく事が運ぶわけもなく、客の要求に流されるまま、ついにはカウンターで焼き鳥を焼き始める始末。
それなりに客足は増え、常連客も少なくないが、やってくるのは相変わらずオッサンばかり。たまに来る女性客ももれなく男連れ (しかも正確には 「女連れの男性客」 である)。
彼の婚活に終わりは見えない。

立地が悪かったのが原因だろうと諦めていたが、上の階にオープンしたスイーツバイキングが女性客で賑わっている事実に動揺を隠せない。


元カフェのビアホールの2階にあるのはスイーツバイキング。
昼から夕方までの営業時間の他、近隣の飲食店で働く女性たちをターゲットに深夜から早朝にも営業しているのが特徴。
種類はそれほど多くないものの、ケーキやパフェ、和スイーツを取り揃え、味とリーズナブルな価格設定が人気を呼び、口コミで客が増えている。
時折、ビアホールの店主が階段を上がってきて、様子をうかがっては引き返していく姿が見られる。


路地をさらに進んでいくと、たくさんの提灯で飾られた居酒屋から漏れ出す新鮮な鶏肉や魚介類を焼く音や香りに誘われる。
店はいつも混んでおり、座席が足りずに店の外で飲食する客の姿が毎日のように見られる。


大将はコワモテで一年中半裸 (暑くて服なんざ着てられるか、とのこと) 、しかも墨入りという風体にもかかわらず、店内には家族連れの姿も目立つ。

意外と子供好きで、ぶっきらぼうにジュースをおまけしてあげては、そんな姿が可愛いと客にからかわれ、照れ隠しに怒鳴るという流れが天丼ネタのごとく繰り返されている。

料理にうっかり毛が紛れ込んではいけないとの気遣いから、頭もワキも胸毛も毎日ツルツルに処理しているそうだが、ヒゲだけは彼のアイデンティティであるらしく断固剃らないためあまり意味がない。


居酒屋の向かいには、負けじと威勢の良い声が響く寿司店がある。
活きのいい魚が泳ぐ生け簀は子供たちに大人気。


生け簀に泳いでいる魚介類ももちろん注文できる。
取り出された魚介類はそのまま厨房へ。

・・・えっ、目の前で捌いてくれないの? と驚く客の前に、あまり間を置かず綺麗に握られた寿司が運ばれてくる。

「運ばれてくるまでがずいぶん早い、本当にさっきの魚?」
「捌きたてのはずなのにしっかり昆布でしめてあった」
「こないだ注文したのと同じ模様の魚がまた泳いでる!」

といった声が後を絶たない。
評判が落ちてもよさそうなものだが、手頃な価格で回らない寿司が食べられ、しかも結構おいしい、ということで来た客の大半がリピーターになっている。
おいしいは正義である。

ちなみに、カウンター内にいるのはただのウェイター。
板前は奥の厨房から決して出てこないため、姿を見た客は誰もいない。
厨房を覗こうとするとものすごく怒られるらしい (声だけで)。


クレジット
公衆電話、コンビニのゴミ箱、雑誌棚、傘立て、窓、庇、電柱、自動販売機、 暖簾/Melo Sim
自転車(赤)、スクーター/eph's Den of Many Sims
自転車(青)/Verona simst
コピー機、柱、カウンター/gookabeez stuff
小包、ドア、連結ランプ、倉庫棚、ダンボール箱、本、新聞紙、フェイクシ ム、積み重ねたトレイ、ケーキポスター/Poetica Place
不動産屋の看板、張り紙、立て看板、ポスター、事務机、和服スキン、スト ーブ/シムピ・イベントランド
サッシ窓、捨て看板/みみしむ
ドアフレーム/SomeSimThings
封鎖された窓、洗濯物、ポスター、ビールケース、酒瓶、ダンボール箱、タ イル床、エアコン/8 Deadly Sims
庇、障子窓/シムピープルでマターリ掲示板
箱テーブル/BRASIMS
ビールケースの椅子/西向
ポスター、メニュー張り紙、トイレ標識、フェイクシム、たこ焼き調理台、 壁紙/さくらとひまわり
タバコ展示棚/Aponee Sims
ドリンクサーバー、飾り皿/SIMcredible!
ビールケース、スナックの看板、寿司店の提灯、寿司店員スキン、ドア、窓 枠、たばこ屋/BNJ×LVR
障子窓、壁紙/遥かなるSimの中で
カットアウトドア・窓/LiSim Creations
壁紙/Jendea Simitecture
割烹着スキン、トレイ返却台、壁紙、ガラス戸/Search My Soul
観葉植物/Parsimonious
食器洗浄機/no title
ビール冷蔵庫、丸椅子/NAJIMU
カレンダー、メニューボード/AMULET
ポスター、商品棚(水)/Around the Sims
庇・階段パッチ/Secret Society of Woobsha
ドア/Fendale Sims
PC机、調理台、棚付きカウンター/Simzalabim
メニューボード/Versteck
カフェテーブル/Super Sims
積み重ねた皿、和風照明/Savage Sims
カウンター/boudoir blanc
観葉植物/The Coconut Hut
吊り電球/dioramatic toys
コンクリート階段/ゆにこーんぎゃろっぷ

その他、御衣香桜様作品・Maxis公式・自作品です。
一部のオブジェクトに、リカラー、設置・取り出し位置変更等の改造を行わ せていただいています。


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